クサシギ(草鷸、学名:Tringa ochropus)は、チドリ目シギ科に分類される鳥類の一種である。

分布

ユーラシア大陸北部で広く繁殖し、冬季はアフリカ、中東、インド、中国南部、東南アジアへの渡りをおこない越冬する。

日本では、旅鳥として春と秋の渡りの時期に全国的に渡来するが、関東地方より南部では冬鳥として越冬する。

形態

体長約22cm。成鳥夏羽は、頭部から背中、翼にかけての体の上面が緑色味がかった黒褐色で、背と翼には細かい白い斑紋が散在する。腹からの体下面と腰は白い。嘴は黒く、足は灰緑色である。成鳥冬羽は、体の上面が暗い灰褐色で、白斑が目立たなくなる。

雌雄同色である。

生態

非繁殖期は、湖沼、河川、水田、湿地に生息する。海岸に出ることはほとんどない。渡りの時期でも群れは作らず、単独か数羽でいる。繁殖期は湿地に生息する。

食性は主に動物食で、水深の浅い場所で、昆虫類や甲殻類、貝類などを捕食する。植物の種子を食べることもある。

主に地上や倒木上に営巣するが、他の鳥類の古巣を利用することもある。普通4卵を産み、雌雄で抱卵する。抱卵日数は21-22日である。


参考文献

  • 叶内拓哉『山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥』、山と溪谷社、1998年
  • 真木広造他『日本の野鳥590』、平凡社、2000年

関連項目

  • 日本の野鳥一覧

クサシギ(2020.11.22) 日本の野鳥識別図鑑

クサシギでしょうか? 日本の野鳥識別図鑑

クサシギ

クサシギ

クサシギ(2020.12.06) 日本の野鳥識別図鑑